11.8 古文・漢文の勉強法

更新日 2021年6月13日


古文・漢文は最もお得な単元

古文・漢文は短い時間で高得点が狙える、圧倒的にお得な単元です。

そもそも元は同じ日本語だから読みやすいし、英語と違って難しい単語は補足がありますし、作文、リスニング、要約の必要もありません。

最低限の知識を覚えて、読めるようになるだけで点が取れます


後回しにする人も多いですが、高1、2である程度仕上げ、模試や実力テストで少しずつ磨くことで受験生活にかなり余裕を持てるはずです。




難関大合格者が使った古文の問題集

先に関関同立/上智MARCH/早慶/旧帝一工(除東大京大)/東大京大の合格者が使用した古文問題集を紹介します。

この後に紹介する問題集の例は、こちらをもとにしていますが、古文は単語を除いて目立って使用率が高い問題集がないので、特に自分の好みに合うものを優先した方がいいと思います。






また主要な問題集について、関関同立/上智MARCH/早慶/旧帝一工(除東大京大)/東大京大ごとに合格者の使用率をまとめました。






ゼロから始める古文の勉強法

まず古文単語、古文文法、古文読解の問題集を一冊ずつやります。

学校で指定の問題集があればそれで構いませんし、なければ気に入ったモノで構いません。

以下に「悩んだならこれ」という例を挙げておきます。


<古文 文法問題集 例>

  • ステップアップノート30古典文法基礎ドリル(河合)
  • 古文文法問題演習―基本テーマ30(河合)


もし文法問題集が難しく感じたら、導入書から入るのもアリです。
<古文 導入書 例>
  • 望月光 古典文法講義の実況中継(語学春秋)
  • 富井の古典文法をはじめからていねいに(ナガセ/東進)


<古文単語 例>
  • 読んで見て覚える重要古文単語315(桐原)
  • 古文単語ゴロゴ(スタディカンパニー)
  • マドンナ古文単語230(学研)

<古文 読解問題集 例>
  • 古文上達 基礎編 読解と演習45(Z会)
  • マーク式基礎問題集古文(河合)


古文文法は2,3巡繰り返して、動詞、助動詞、敬語などの文法の基本はしっかり抑えます。
<8.1 最重要の勉強法!同じ問題集を繰り返す>


古文単語は、一度に覚えようと思わずに、1日少しずつ進めて何巡か回して覚えます。
基本は、英単語の覚え方と同じです。
<8.3 英単語の覚え方>



古文読解問題集は、3巡はやる必要はなく、最大でも2巡で構わないと思います。

初見で読解する訓練をすることに意味があるので、問題文や答えを覚えてしまっては意味がないからです。

ただ2巡こなすことで、2巡目は余裕を持って読解できる分だけ、解答に至るまでの読解のポイントに対してより意識を集中できると思います。

解説を読んだときの理解度も1巡目よりは高くなるはずです。



次に共通テストの予想問題集を10回分ほどやります。

共通テストの問題にチャレンジしながら、分からないところがあったら、古文単語と古文文法の問題集を見直し、メモしていきます。

10回分というと大変に思うかもしれませんが、古文だけなら約20分×10回=200分なので、4時間で終わります。

早めに完成させることで、それ以降の模試や学校の実力テストが、確認の場に変わります。



共通テストの古文に慣れてきたら、二次試験過去問を問題集だと思ってこなしてみます。

多くの人はこれだけで充分です。

これ以上の時間を使うのは優先順位・費用対効果の観点からあまりオススメしません。

実際難関大に合格した人も、古文の問題集をたくさんこなしてはいません。


それでももし共通テストや二次試験の古文で高得点が欲しい場合は以下で補強します。

<古文 応用問題集 例>
  • 古文上達 読解と演習56(Z会)
  • 最強の古文 読解と演習50(Z会)





難関大合格者が使った漢文の問題集

漢文についても、先に関関同立/上智MARCH/早慶/旧帝一工(除東大京大)/東大京大の合格者が使用した漢文問題集を紹介しておきます。

難関大に合格者で、漢文の問題集をこなしている人はあまり多くはありませんでした。

これは学校の授業である程度、句法と読解をこなしたら、共通テストや二次試験過去問の演習に入っているためと思われます。






ゼロから始める漢文の勉強法

漢文は古文以上にやることが少ないです。

まず句法の問題集を1冊ずつ選び、みっちり3巡やります(学校の授業でカバーできている人は飛ばして構いません)

<漢文 句法問題集 例>

  • 漢文ヤマのヤマ(学研)
  • ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習(河合)
  • 漢文早覚え速答法(学研)


漢文の場合は、難しい単語は問題文の中で補足してくれていることがほとんどなので、難関大以外は単語を覚える必要はあまりありません。

多少の単語は、読解問題を解きながら覚えるのもありです。

難関大を受ける人か、漢文で高得点を取りたい人は例えば『漢文早覚え速答法(学研)』にある91語は覚えます。


その後は共通テストを10~20回分やります。

「句法の問題集を1冊やっただけで大丈夫か?」と思うかもしれませんが、句法をしっかり抑えておけば、解説を読んでも全く分からないということはないと思います。

最初は間違えだらけでも構いません。

いきなり高得点を取る必要はないので、本番レベルの問題を解きながら読解力を少しずつつけていくのが一番早いです。



あまり多くはありませんが、志望校の二次試験で漢文がある人は、二次試験過去問を問題集だと思ってこなします。

ただ二次試験に漢文がある大学についても、難問が出ることはあまりなく、共通テスト対策で充分であることが多いです。



これ以上の時間を使うのは優先順位・費用対効果の観点からあまりオススメしません。

実際難関大に合格した人も、漢文の問題集をたくさんこなしてはいません。

もし不安な人や漢文で高得点を取りたい人は、句法の問題集をもう一冊と、共通テストと二次試験過去問の演習を増やすといいと思います。



本コラムのまとめ

  • 古文・漢文は短時間で伸びるおいしい単元。
  • 古文は単語/文法/読解を一冊ずつ ⇒ 共通テスト。
  • 漢文は句法問題集を一冊 ⇒ 共通テスト。